シラミ
 
 卵、幼虫、蛹、成虫と完全変態をします。卵は1度に8〜12個産卵され、一匹の雌が一生に数百個の卵を産みます。卵から羽化までは条件によって20日〜1年のバラツキがあります。ヒトノミの最適条件は27〜30℃湿度90%程度です。越冬はどのステージでも可能ですが、13℃以下の温度になると産卵などの活動は殆どしなくなります。成虫になると雌雄共に吸血しますが、主な寄主が死んだ場合は他の動物に移行して吸血し、生活を維持します。未吸血の個体はかなり長寿ですが、1度吸血すると次の吸血をしないでは長く生きていられません。吸血は動物の出す炭酸ガスに引きつけられて通常1日2〜3回行われ、1回2分程度行います。ノミは跳ねることが得意で、ヒトノミが畳の上で水平に跳ねた時、雌で36cm 雄で40cm、垂直に跳ねた時には雌 15cm 、雄25cmという記録があります。いずれにしても、体長に比べると大変な跳躍力です。毛の間を歩行するのは早いのですが、平らな所の歩行は出来ません。跳び上がって降りた時も、一度倒れてまた跳び上がるという風になります。また、一定の方向へ進むというのではなくて、ランダムに跳ねて寄主に跳び付きます。
   
 
種類 特長と生活
雌が3mm、雄は2mmの「ノミの夫婦」です。人家の近くに住み、主として人に寄生するノミですが、犬、猫、狐、イタチ、馬、豚、ネズミ、兎、鳥など、幅広く寄生します。
もちろん猫が一番の寄主ですが、そのほか犬、兎、ネズミなどの巣の回りによく見られます。また最近、人がよくこのノミに刺咬されるようになりました。
ネコノミと非常によく似ていて、見分けるのが困難なくらいです。犬が中心ですが猫や兎、狐等に寄生します。
ペストの主な媒介者として知られています。全世界に分布していて、エジプトやインドでは主要なノミですが、日本では港湾や大都市で見られる程度で、あまり多くはいません。人や犬、猫などにも寄生します。
全世界に分布していますが、日本には少ない種です。
日本、アジア、アメリカに分布していて、家ネズミに寄生しています。
ユーラシア大陸、アメリカに広く分布していて寄主はやはり家ネズミで、他の動物にはあまり移行しません。
 
   
 
 現在の日本におけるノミの被害というのは、吸血された時の痒み程度ですが、本来はペストを媒介する衛生害虫として有名であり、現在でもケオプスネズミノミ、ヨーロッパネズミノミの生息する地域では大きな問題を抱えています。  
   
 
 最近の日本ではヒトノミは見られなくなり、殆どがネコノミかイヌノミによる被害で、特にネコノミのものが多くなっています。したがって、ペットについているノミの駆除が中心となります。ノミ取りシャンプーや忌避剤(動物用医薬品または医薬部外品)などで、ペットについたノミの駆除を行います。また、ペットの寝床やお気にいりの場所で繁殖しますから、掃除機でこまめに掃除し、粉剤の殺虫剤を散布しておく必要があります。「家のペットは清潔にしているから大丈夫」と思っても、散歩に連れて行くと何処かでノミをつけて来ますから安心出来ません。掻いていたり、様子がおかしい時は、ノミがいないかよく見てやりましょう。野良猫や野良犬が迷い込んで来て床下にいる時はその周辺が発生源となりますから、粉剤か微粒剤を散布します。したがって、空き家にすると野良猫が住みついて、ノミの多発する原因となります。  
 
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